tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

クロネコヤマト料金改定の意味するもの

2017年03月08日 11時21分42秒 | 社会
クロネコヤマト料金改定の意味するもの
 過日、ヤマト運輸の労働組合が、今春闘で、 荷受けの抑制を要求するという報道から、これはネット通販時代の社会インフラに関わる重要問題という気持ちを書きました。

 春闘で、労組が経営の在り方にたいして発言をするのは異例かもしれませんが、日本的労使関係の中では、状況に応じてあって然るべきと考えています。
 一方、ヤマト運輸の方も、現状の社会情勢に鑑み、自社の経営・労使関係も十分に考慮したのでしょう、早速に料金改定も含む、対応策を打ち出したことは、評価されるべきでしょう。

 消費者・利用者の方も、それなりに納得するところがあるのでしょうか、極めて冷静に受け止めています。
 業界の巨大リーダーのこうした動向は、業界全体としても、等しく歓迎する所のようです。
 序に言えば、パナソニックが、家庭用宅配ボックスを開発するなど、宅配システムの高度化・先進化を支援するといった動きなど、多面的な前進の兆しがあります。

 自動車や電子・電気機器などの生産に比べ、宅配といった仕事は簡単に生産性は上がりません。残念ながら日本の道は、特に都市の住宅地域では狭いところが多く、駐停車などの規制もますます厳しくなり、利用者の私から見ても、担当者の仕事は激務です。

 担当者の仕事と利用者の利便とは相反の関係にあります。特に宅配の場合は、顧客満足は、担当者の仕事の仕方や態度、その努力にかかっています。相反する関係の解決には双方の折り合いが必要です。

 「お客様は神様」など言われたりしますが、お客様も、担当者も実は同じ人間です。社会全体の持続可能なシステムの在り方を考えれば、矢張り全体システムの最適化を考えなければなりません。

 幸いなことに、日本人、日本社会はそうした思考方法に 大変優れているのです。自分の都合とともに相手の都合も考える「おもいやり」、結果も考えて行動する「先見性」、日本人の行動が往々世界から注目称賛される原因もそこにあります。

 料金改定、配送時間帯の合理化についても、ほとんど異論は聞こえてきません、両方の折り合いをつけやすくする技術革新(宅配box?)なども進化するでしょう。
 行政が自家用車と宅配車両の駐停車規制に差を設けても多分世論は納得するでしょう。

 高速道路も新幹線も大事ですが、宅配便も、考え方によっては、さらに重要な社会インフラになりつつあるのではないでしょうか。
 社会全体の利便性を考えつつ、この問題の今後の進展に注目しましょう。

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